「あべってどういう意味?」
そんな疑問を持った方に向けて、この記事ではあべの意味や使い方、どこの地域で使われるのかをわかりやすく解説します。
① 結論
あべは、岩手県を中心に使われる方言で、意味は 「行きましょう/行こう」「おいで(来て)」 です。
日常会話での“誘い”や“同行の声かけ”、または“こちらに来るよう促す”ときに、短く言える便利な表現として使われます。
② 意味の詳しい解説
標準語との違い
標準語だと、
- 出発を促すなら「行こう」「行きましょう」
- 呼び寄せるなら「来て」「おいで」
のように言い分けるのが一般的です。
一方であべは、会話の流れの中で
「行く」も「来る」もまとめて表せるのが大きな特徴です。
つまり、言葉単体というより “場面と状況で意味が決まる” タイプの方言です。
どんな場面で使うか
あべは、次のような場面でよく登場します。
- 外出の誘い:「一緒に行こう」のノリ
- 出発の合図:「そろそろ行くよ」のノリ
- 同行の促し:「ついておいで」のノリ
- 呼び寄せ:「こっち来て」のノリ
- 集まりの場:その場の流れを前に進めたいとき
特に、家族・友人・近所の人など、距離が近い相手との会話で自然に使われやすいです。
ニュアンス説明(ここがポイント)
あべのニュアンスは、丁寧というより ラフで軽い誘い。
「行きましょう」と言うほど改まっていなくて、
「行け!」ほど強くもない、ちょうど真ん中の感覚です。
イメージとしては、こんな近さです。
- 「行こうよ」
- 「ほら、行くべ」
- 「こっち来な」
この“空気感”を、短い一言で出せるのが「あべ」です。
また、言い方次第でテンションも変えられます。
- やさしく「あべ〜」→ ふんわり誘う
- キビッと「あべ!」→ 出発を促す、背中を押す
③ 使い方・例文
例文1(出発の誘い)
「腹ごしらえしたら、あべ!」
(腹ごしらえしたら、行こう!)

例文2(同行の声かけ)
「店さ行ぐがら、あべ。置いてがねぇど」
(店に行くから、一緒に行こう。置いていかないよ)

例文3(呼び寄せ)
「こっちの席あいでるがら、あべ」
(こっちの席空いてるから、おいで)

④ ニュアンス・注意点
- 悪口ではありません。 誘い・促しの言葉で、基本はポジティブです。
- ただし、場面によっては「急かされてる」と感じることもあります。
とくに「あべ!」と強めに言うと、標準語の「早く行こう!」に近い圧が出る場合があります。 - 目上の人や改まった場では、
「行きましょう」「いらしてください」「来てください」などに言い換えると安心です。 - 県外の人には意味が割れやすいので、初対面の相手には
「行こう(あべ)」のように補足すると伝わりやすいです。
⑤ 他県での違い
東北地方では、誘いの言い方として「〜べ」「行ぐべ」などの形が広く見られます。
ただ、「あべ」単体は他地域の人には馴染みが薄いことがあり、文脈がないと
- 「行こう」なのか
- 「来て」なのか
が分かれにくい場合があります。
そのため、県外の人との会話では、
「こっちさあべ(こっち来て)」のように 方向や目的を一緒に言うと誤解が減ります。

