「どんどはれ・どっとはれってどういう意味?」 そんな疑問を持った方に向けて、この記事ではどんどはれ・どっとはれの意味や使い方、どこの地域で使われるのかをわかりやすく解説します。
① 結論
「どんどはれ」「どっとはれ」は、「これでおしまい」「めでたしめでたし」 という意味の言葉です。主に岩手県の遠野地方を中心に、昔話(民話)を語り終えるときの締めの決まり文句として使われています。
② 意味の詳しい解説
「どんどはれ」は、昔話を語り終えたあとに最後につける締めくくりの言葉です。標準語で言えば「おしまい」や「めでたしめでたし」にあたります。岩手県遠野地方の昔話では、「むがすあったずもな(昔あったということです)」でお話が始まり、最後に「どんどはれ」でお話を締めるのがほぼ決まった形になっています。
日常会話で頻繁に使う方言とは少し性質が異なり、「どんどはれ」は昔話や民話の語りの場で使われる特別な表現です。「どんど」は「すべて」、「はれ」は「祓い(はらい)」を意味するとされており、お話の終わりにその場に漂う言霊をすべて祓い清めるための言葉だと伝えられています。単なる「おしまい」ではなく、お話の世界と現実の世界を区切る役割を持った、少し神聖なニュアンスのある表現です。
2007年にNHK連続テレビ小説『どんど晴れ』のタイトルに使われたことで、全国的に知られるようになりました。ドラマの舞台が岩手県だったこともあり、「どんどはれ=岩手の言葉」というイメージが広まるきっかけになった作品です。
③ 使い方・例文
例文1 「むがすあったずもな。――(昔話の本文)――どんどはれ。」 →(標準語訳)「昔あったそうな。――(昔話の本文)――おしまい。」
例文2 「おもしぇはなしだったな。どんどはれ。」 →(標準語訳)「面白い話だったね。これでおしまい。」
例文3 「こんやのむがすばなす、これで、どっとはれ。」 →(標準語訳)「今夜の昔話は、これで、おしまい。」
④ ニュアンス・注意点
「どんどはれ」は悪い意味のある言葉ではまったくありません。昔話の締めくくりに使う伝統的な表現であり、「めでたしめでたし」のような温かく穏やかなニュアンスを持っています。
注意点としては、この言葉はあくまで昔話の語りの場で使う定型表現だということです。日常会話の中で「じゃあ、どんどはれ」のように使うことは基本的にありません。ただし、岩手県民の間では、話を締めくくるときや何かが無事に終わったときに、冗談を交えて「どんどはれ」と言うことはあります。あくまで遊び心のある使い方であり、本来の使い方は民話の語りの場に限られます。
また、「どんどはれ」と「どっとはれ」は同じ意味で、地域や語り部によって言い方が少し異なるだけです。どちらを使っても間違いではありません。
⑤ 他県での違い
昔話の締めくくりに使う言葉は、東北地方の各地にそれぞれ異なる形で存在しています。青森県の津軽地方では「とっちぱれ」、秋田県では「どっとはらい」といった言い方が使われることがあります。いずれも「どんどはれ」と同じく「すべてを祓う」という意味が根底にあり、同じ系統の言葉です。
一方、岩手県の中でも遠野地方以外ではあまり馴染みがないという人もいます。「どんどはれ」は特に遠野の昔話文化と強く結びついた表現であり、岩手県全域で日常的に使われているわけではありません。
東北地方以外では、昔話の締めくくりの言葉自体が地域ごとにさまざまです。「おしまい」「めでたしめでたし」が一般的ですが、「どんどはれ」のような独自の定型表現が残っている地域は全国的にも珍しく、遠野の昔話文化の豊かさを物語っています。

